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エッセイコンテスト

◇第3回 食とコミュニケーションエッセイコンテスト

受賞作品発表

 第3回食とコミュニケーションエッセイコンテストでは、「食」や「コミュニケーション」をテーマに、実話を基盤としたうえで、実際に経験したこと、日頃思っていること、願いなど、当事者・家族・社会が笑顔になれるエッセイを募集いたしました。今回のコンテストでも、多くの方に「食」や「コミュニケーション」にご関心をお寄せいただき、感動的な作品を多く頂戴しました。ご応募くださったみなさま、誠にありがとうございました。
 審査委員会による厳正なる審査が行われ、応募190作品の中から受賞作品が次のように決定いたしました。受賞されたみなさまには心からお祝い申し上げます。おめでとうございます。
 受賞されたみなさまをお迎えし、12月26日に大阪市中央公会堂にて表彰式および受賞祝賀会を執り行う予定でございます。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から規模を縮小し,感染管理を徹底した上で開催させていただくこととなりました。短い時間ではございますが,その栄誉を称えたいと存じます。

最優秀賞 ◇ 気持ちのタンクを満タンに
~子育てから学び、考えるコミュニケーション~( おねこ )
優 秀 賞 ◇ 師匠と食と芸  ( 桂 笑金 )
佳   作 ◇ 優しいスープ  ( 関 和泉 )

特別賞

◇ お弁当が繋いだ絆( 後藤 里奈 )
◇ 暴君母になる( 藤本 ゆきな )
◇ お後がよろしいようで( 藤沢 三四郎 )
◇ 家族の形を作った料理と愛情と笑顔( ぴよぴよこ )
◇ あの日のソフトクリーム( 亀本 菜々 )
◇ 運命の人は日本語が話せない( そのみ )
◇ 食べて笑ってコミュニケーションの好循環( 笑いの希望 )
◇ お弁当を通して母と会話する( ツッチー )

  ※ 受賞作品( 作者 )


第3回 食とコミュニケーションエッセイコンテスト審査に寄せて

食とコミュニケーションエッセイコンテスト審査委員会


 食とコミュニケーションエッセイコンテストは、実話が基となり、経験の共有、普段感じていること、願いなど、エッセイを通じて当事者、家族、社会が希望を持ち笑顔で一歩を踏み出そうという、社会活動と同等の意味を持つコンテストと思う。もちろん文学的な完成度はどの作品も高いのだが、そこにリアリティーある実話が持つ独特の心に迫る迫力を感じる作品の多さに驚いた審査であった。また、『笑顔』がキーワードとなるコンテストだが、「にっこり笑顔」、「ほっこり笑顔」、「大笑い笑顔」、「ニヤリ笑顔」、「泣き笑い」など、『笑顔』っていっぱいあるのだと気づかされるコンテストでもあった。この拙文を読んでくださっているみなさまも日々の生活を振り返ってはどうだろう。ひとり一人に必ず、毎日物語がありそして様々な『笑顔』があろう。190作品には190通りの笑顔があり、応募されたみなさまの過去、現在、未来が作品に存分に映し出されていた。それはまるで鏡のようでもあり、少しベールに包まれた水面でもあり、感動が多かった。全作品に敬意を表したいと率直に感じていている。

 その中で、最優秀賞に輝かれたのは、「気持ちのタンクを満タンに~子育てから学び、考えるコミュニケーション~」であった。この作品は、周りの人が気づかないくらいのわずかな変化や違いに親は一喜一憂し、わが子の為にどんな努力も惜しまない姿勢が描かれている。わが子に対する親の愛の深さは無限大。それが、ほんのわずかな出来事の気づきにつながっている。このようなたわいもない日常生活にも無限大の喜びや笑いがあるのを教えてくれる。作品を読み進めていくと、親から子への愛情やコミュニケーションという側面から、実は親のコミュニケーションが成長する様が読める。わが子を育てるのは決して一方通行ではない。自身も子どもから多くを学ぶ。そこに、人としての成長や親としての円熟味を増すことに読み手も勇気を頂ける。全員が違う「気持ちのタンク」を満タンにすること。これこそ多くの人に読んで頂きたいと願っている。

 優秀賞に輝かれたのは、「師匠と食と芸」であった。落語家として修業されている方が亡き師匠を回顧する作品である。さすが、芸を極められた師匠。1本筋が通っている。それは、芸だけではなく日々の生活、とりわけ「食」に表れているというのだから興味深い。思わず時間をわすれ、お弟子さんにわが身を重ね、ドキドキしたりニヤリとしたりということができる作品だ。誰しも何かで身を立てたいと願う今の社会で、毎日の生活はすべてに繋がっていることを教えてくれ、足元を見つめ信念を持ちコツコツ努力する重要さに笑いと共に気づく作品である。ぜひ一読をお勧めする。

 佳作には、「優しいスープ」が輝かれた。認知症を患った母。その方と共にラーメン屋さんに立ち寄ったとしたら普通はどのような態度が待ち受けているだろう?母と普通に接してくれる店員さんはどのくらいいるだろう?本作品に描かれる親子、店の店員さん、母の尊厳をしっかり維持し、人として対応する様は今のわが国やわが地域の鏡だろう。忙しい日々にも心の余裕を持つことが他人への行動へとつながる。私たちが常に持っていたい人としての奥深さと余裕を読むことができる。こんな人が周りにいたらいいなぁ。こんなお店があったらいいなぁ。探してみようと読み終えた時には自然と感じるだろう。

 今回も、8作品を特別賞として表彰させて頂くことにした。本当にどれも魅力たっぷりの作品であり、愛して欲しい作品である。心から敬意を表したい。

 第3回食とコミュニケーションエッセイコンテストの審査を終える今、今回も本当に幸せを感じながらクリスマスを迎える喜びを満喫している。

 多くの素晴らしい作品をありがとう。



食とコミュニケーション研究所からメッセージ

 第3回食とコミュニケーションエッセイコンテストには190作品のご応募を頂戴しました。心から御礼申し上げます。受賞作品11編は、食とコミュニケーション研究所出版会から出版いたします。

 審査委員会のメンバー諸氏には厳正な審査を行って頂き、改めて御礼申し上げます。

 食とコミュニケーションエッセイコンテスト受賞作品集は、販売しています
こちらもぜひお手にとって頂きますようご案内申し上げます。みなさまのご多幸を心からお祈り申し上げます。

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