トップページレポートリレーインタビュー食事で喜びを感じよう

2022/07/26

食事で一時でも喜びを感じよう。その一口を明日生きる力へと。

岩品 有香(管理栄養士)


① 現在の活動、取り組んでいることは何ですか?

 現在は医療福祉関連の仕事に従事していませんので、疾患や病態など患者様に関わる活動はしていません。一般の方の食について日々考えています。
 食とコミュニケーション研究所の活動として、打ち合わせやそれに関するセミナーの準備などに関わっています。食に対しての思いはありますので、抗酸化、嚥下食、分子栄養学、栄養療法など興味のあることには関心を高くもつようにしています。


② 食とコミュニケーションに関するエピソードをご紹介ください。

 ホスピスで仕事をしていた時のことです。ホスピスの食事は希望食という設定があり、患者様の要望に応えて食事を提供できるシステムがありました。そこで毎回、病院のメニューにはない食事を要望する方がいらっしゃいました。ラーメンが食べたい、餃子が食べたい、炊き込みご飯が食べたいなど。その食事を用意してお持ちしても、下膳する時には一口も手をつけてはいませんでした。Aさんの部屋はいつもカーテンが閉められていて、薄暗い部屋でした。
 そのようなことを繰り返していたある日、お部屋に伺うと「申し訳なかった」と仰るのです。「本当に食べたかった訳ではない、まさか用意してくれるとは思わなかった」と。
 その後は、本当に食べたいものをお伝えしていただけるようになり、部屋のカーテンも開けて、訪問時にはたわいのない会話も楽しめるようになりました。患者様の気持ちに寄り添い、丁寧に向き合ったことで心を開いてくださったことに、喜びを感じ安心したのを今でも覚えています。
 がんを患った患者様の精神状況はいろいろな段階があり、簡単に整理できるものではありません。日々命を閉じていくのを目の前にする現場で栄養士としてできることは何か、ホスピスで仕事をしている時はよく考えました。私が出した答えは、「食事で一時でも喜びを感じていただこう、その一口が明日を生きる力になり癒されるのであれば、それに惜しみなく寄り添っていこう」ということでした。
 ホスピスで出会った患者様に学んだことは私の原点であり、感謝してもしきれないほどの多くの経験をさせていただきました。


③ ストレスの解消方法・楽しみにしていることは何ですか?

 本屋に行くこと、季節の花や夕日、月を眺めること、好きな音楽を聴くこと、ヨガですね。


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