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2022年度オンラインセミナー シリーズ1

「気管切開患者に対する発話・嚥下のマネジメント」全3回


 気管切開をされている方の発話や嚥下を保障することは、その方々の生活補償に直結します.本セミナーでは,発話や嚥下の臨床マネジメント手法について3回シリーズで詳しく解説します.ご要望に応え、昨年好評を得たシリーズをアップデートして開講します.
 

講師:中山剛志先生(大久野病院リハビリテーション部 言語聴覚士)


本セミナーは終了しました。              
多数のご参加ありがとうございました。

プログラム

開催日 講座名 Zoom情報をご連絡する日
第1回
6月3日
(金)
「気管切開に関する基礎知識」
 気管切開は,医師が医学的判断によって実施する医療行為です.医学的管理は医師のもとで行われます.しかし,気管切開をされた方が日々の生活を行われていく上で,医師以外のメディカルスタッフと接することも多いのが実情です.気管切開をされている方々に適切な行為やケアを実践できるよう,気管切開にまつわる基礎的知識について説明します.してよいこと,してはいけないこと,注意すること,できること,できないこと,基礎知識を得たい方は必見です.
5月31日
(火)
第2回
6月10日
(金)
「気管切開例に対する摂食嚥下障害の臨床」
 気管切開をされた方は,ほぼ全員摂食嚥下機能に影響を受けます.喉頭運動が抑制されたり,咽頭喉頭の構造がかわったり,声門下圧が高まらなくなったり,呼気の流れがかわったり,多くの要因が嚥下機能に影響を与え,うまく食べられなくなられる方が多くなります.このように気管切開をされた方々には,相応のリハビリテーションを行いつつ安全に摂食する方法を獲得しつつ支援をしていきます.セミナーでは,具体的な臨床手技や臨床思考など,気管切開をされた方の食支援についてご紹介します.
6月7日
(火)
第3回
6月17日
(金)
「気管切開例に対する発話障害の臨床」
 気管切開をされた方は,声が出せなくなります.病状や身体状況によっては,気管切開カニューレを工夫して発声が可能となるケースもあります.発声が可能となったとしても,気管切開術を受ける前と同じ発声ではないことが多いです.したがって,発声ができないケース,発声ができるケース,いずれにおいても発話への支援やリハビリテーションは,日常でのコミュニケーションを保障する重要なポイントとなります.セミナーでは,具体的な臨床手技や臨床思考など,気管切開をされた方の発話やコミュニケーション支援についてご紹介します.
6月14日
(火)

会員の方は、終了したオンラインセミナーの視聴や再視聴が可能です。
見逃してしまった方、復習したい方はぜひご利用ください。
期間中何度でも視聴可能です。
(1講座1,000円 開催時に申し込まれた方は無料)

2022シリーズ1 第1回 セミナー参加記

2022年6月3日開催

「気管切開に関する基礎知識」を受講して

言語聴覚士 吉山つたえ(大阪府済生会中津病院)

 日常の臨床で気管切開患者様の発話障害や摂食嚥下障害に対するリハビリテーションを行っています。これまで、気管切開の目的、気管切開カニュレの種類や構造など基礎的なこと学ぶ機会はありました。しかし、介入時のリスク管理や合併症への対策、吸引のポイント、抜去に向けた訓練や開始時期等、日常臨床で一番知りたい内容について疑問が多く困っていました。言語聴覚士として気管切開患者様に行うべきポイントや注意点に触れた勉強会や成書はあまりありません。私のように、気管切開患者様とのリハビリテーションの経験はあっても、解剖学・医学的知識に基づいて、理論的に有効な介入方法を説明できる言語聴覚士は少ないのではないかと想像していました。また、私は常々、自身の臨床経験だけを根拠に臨床してはならないと自戒しています。しかし、気管切開患者様のリハビリテーションを独学することの難しさも感じていました。
 今回、中山剛志先生の講義を拝聴し、言語聴覚士養成校時代に学んだ医学・解剖学的知識を復習しながら、気管切開患者様のための介入方法について学びました。加えて、心疾患患者は高位気管切開になりやすいことや、カニュレサイズを胸部CTで確認すること等、患者様の呼吸や嚥下動態をより多角的かつ詳細にとらえるポイントを教えてくださいました。呼吸管理中の患者様への評価訓練後は、常に数分間患者様の状態変化の有無を観察するというご説明など、中山先生がリスク管理を重視なさることもよくわかりました。
 プロフェッショナルの仕事は、うまくいくことと同時にその実践中に安全安楽を保障することを改めて認識しました。
 第2回目以降のセミナーも受講し、基礎的知識を踏まえたうえで評価や訓練を行えるよう学びをより深めたいと強く思いました。そして今後は、日常臨床で患者様に応用出来るよう努め、より有効な介入が出来るようになりたいと思っています。
 素晴らしい講義をありがとうございました。そして、私たち臨床で活動している言語聴覚士が何を学ぶべきかをよく理解くださりセミナーを企画くださる、食とコミュニケーション研究所の皆様には敬意を払います。ありがとうございました。次回も楽しみにしています。

2022シリーズ1 第2回 セミナー参加記

2022年6月10日開催

「気管切開例に対する摂食嚥下障害の臨床」を受講して

言語聴覚士 宮本 直樹(社会医療法人大道会森之宮病院)

 この度、オンラインセミナー シリーズ1 第2回「気管切開例に対する摂食嚥下障害の臨床」を受講させていただきました。私はSTになってから現在までおよそ9年間、病院での成人領域の臨床に関わり、主に回復期リハビリテーション病棟で業務を行ってきました。職場は比較的STのスタッフ数が多いこともあり、気管切開患者様を担当させて頂いた経験は、決して多くはありません。それだけに、気管切開患者様に対する経験も知識も乏しく、毎回不安を抱えながらの臨床を行ってきました。
 今回の講義では、気管切開と摂食嚥下障害の関係、気管切開者の嚥下評価、気管切開による嚥下への影響、気管切開による嚥下障害への対応策、カフと誤嚥、カフ上吸引ラインの使用法、気管カニューレからの吸引、気管孔閉鎖の条件、気管カニューレの変更と嚥下訓練といった内容を学ぶことができました。専門性の高い内容について、様々な文献や、写真やイラストも豊富に提示されていて、具体的なイメージをもって理解することができました。特に、「随意的喀出能力の評価による一方向弁(ワンウェイバルブ)の適応」については、喀出能力のレベルが具体的に例示されており、臨床的な判断にも非常に参考になるものだと感じました。また、「気管切開孔閉鎖の条件」についても、カフ付きカニューレが不要になる条件や気管切開が不要になる条件が示されており、不必要な気管切開や不適切なカニューレの選択から離脱していくために、STが評価すべきポイントをあらためて確認することができました。
 このような貴重な勉強の機会を与えて頂き、講師の中山剛志先生ならびに「一般社団法人食とコミュニケーション研究所」関係者の皆様に、感謝申し上げます。

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